彌吉のブログ
伊豆お住まいも悪天候が続く但馬特有な天候の為、内部を先行させておりましたが漸く外壁の工程に移りました。
板はり着手前
今回も焼杉、一部そとん壁の仕様です。
壁板を留めるために必要な準備工程は
1)透湿防水シート貼り(写真の白い紙のようなもの)
2)通気胴縁組み付け (白い紙の上の細めの板)
3)縦ばり用下地胴縁留め付け
上部の特に密に貼られている所はシラスそとん壁用の下地板です。
その下に横方向に板が留められて居りますが、これが板を留める板になります。
見てわかる通り、壁の中に風が通る道をしっかり確保して居りますね。
今回も外壁板を縦貼りなので下地板は横方向に必要となるのです。
鎧ばりと言われる横方向に板を重ねて留めつける場合は縦の下地(通気胴縁)を利用出来るのですが、縦ばりではそうは行かないのです。
4)防虫スペーサ設置
見えづらいですが胴縁の最下端と最上段に留めてあります。
5)外用電気配線
外部用のコンセント、灯り用の配線をこの段階で仕込んでいきます。
6)壁貫通部の穴あけ
クーラー、換気装置用の壁貫通部に傾斜パイプを仕込んでいきます。
漸く
7)外壁工程に進む
ってな感じでですね。この他に気密、防水、サッシ取り付け工程も行われて居ります。
と言うことで多くの工程を経て外壁の板張りとなるわけです。
サイディングなる板を「パンパン」と留めつけていけば良い、現代のお住まいとは手間の掛け方が全く違うので、そう簡単では無いのです。
ではまた。
不順な天候の合間を狙って瓦職人さんが棟瓦を葺いてくれました。
仕上げの漆喰は後日となりますがここまできたら一安心。
綺麗な瓦だなぁと何度目でも思えます。
この瓦は 燻瓦(いぶし瓦)と呼ばれる種類のものです。
京都や趣のある建物によく採用されている瓦です。そうそうお寺さんも大抵は燻瓦ですね。
屋根葺き材としてガルバを使用することもあるのですが私はこの燻瓦が一番好きなので多用して居ります。
地元でよく使われているテカテカ光っている塗瓦(ぬり瓦)はどうも好きになれないのですが、まぁ、あれはあれで良いところもありますのでお好みでどうぞ。
ただし
私は燻瓦をお薦めいたします。単なる好みです。すいません。
さて
この写真は年末にお引き渡しをした出石柳のお住まいの夕景です。
ぼんやり照らされた瓦屋根。如何でしょうか? えーですねぇ。
お隣の瓦がテカっているのにお気づきでしょうか?
燻瓦のしっとりとした陰影が私は堪らんのです。
こちらは3年前にお引き渡しした気比のお住まい。
ガルバの屋根です。
屋根の形で印象は随分と変わりますね。
ではまた。
伊豆のお住まい。
1月24日に雪が降ってしまったので屋根工事は防水紙(遮熱仕様)を貼ったままで雪の消えるのを待ちます。
2月1日 少し消えてきましたが下屋の雪は30cmくらい溜まって居りますね。
2月3日
早めに消えた大屋根から作業再開。やはり瓦屋根が好きです。
実は瓦屋根は瓦桟と言うものを屋根に取り付けてから瓦を釘で留めつけていくのですが、構造上、水勾配というか傾斜に対して横断した状態となるので水が溜まりやすくなり屋根の劣化を招くことになりがちなのです。
一般的にはこの「黒っぽい樹脂の板状の資材」は使われず、杉などの木材が使われます。
昔ながらで悪くは無いんですが私は腐食と水漏れがとても気になるので、無垢好きな想いはここでは封印し安全な方、つまり樹脂製を選ぶことにして居ります。
見てわかる様に水抜きの窪みがついているので水が溜まることは無いと言う事です。
瓦を留めつける保持力も木材以上強力です。
無垢の板材と比べると数倍の費用が掛かりますが、高耐久のためには投資すべき箇所でありますので必須として居ります。
次の工程は屋根の通気です。
そう、瓦屋根は耐候性はとても高いのですが素材的に熱を保ちやすいのでこの屋根の通気が上手く出来ていないと昔ながらの「2階はとても暑くて寝られない」住まいとなってしまいます。
なので
屋根の一番高いところに穴を開けます。おっっっっ大丈夫かいな?と思いますよね。
大丈夫な様に作業は進みます。
ここにも専用部材の通気はするけど雨の入りづらい資材を使います。
屋根の棟全域の空気を排出するように全長に設置していきます。
これが結構高価な資材なのですが住まい心地を左右する大事なところですので価値ある投資です。
通気材端部からの水の侵入が気になったので追加で気密シートと気密テープでカバーしました。
これで外部の通気確保工事は完成です。
室内側の通気層は垂木(厚み120mm)を全て通気層とする為にタイベックを貼っておきます。
白っぽいものがタイベック新住協専用材です。
なかなか手間のかかる部位ですが大切なところですので丁寧に施工をしてくれます大工さんに感謝です。
外では不順な冬空の中、晴れ間を狙って瓦職人さんが作業をしてくれて居ります。
下屋の壁との取り合いと棟瓦の完成が間近となりました。
もう少しで完成します。ありがたい。
屋根、見えない部分、作業、資材をご紹介致しました。
これで完璧だとは申しませんが、家造りの参考にされて下さい。
机上の計算も大切ですが現場の施工が確かかどうか?気になりますよね。
家つくりは数値やブランドでは語れません。
事件は現場で起っている!知らんけど。笑
伊豆のお住まいも実は進んできております。
大工さん先行の珍しい現場です。
今回は5名の大工さんが現場に入ってもらっておりますので資材の準備も遅れ気味になっております。汗をかきながら現場を進めてくれているんですが、これまた電気担当の甥っ子も忙しいようでようやく現場に来てくれました。
すでに壁の充填断熱材は完了、下地の横胴縁も天井下地も出来上がっておりまして電気工事待ち。満を持して登場となりました。
なんか、「やった感」が漂う彼でした。
雪、よう降りましたね。
今年はふた山でしたが、もう要らんですね。
雪がおさまったので気になっていた竹の雨樋の具合を出石の家さんに行ってきました。
楽しんで作ったけど、どうだろうって事で点検なのです。
以前、こんな雨樋の出口を見てこれじゃぁなぁと思い、山から竹を切ってきてちょっとゴソゴソしたのでした。
着手前 黒のビニール管が顔を出しております。
完了。
下をクリックしてください、動画が見れます。
なんかえーでしょ。水琴窟みたく・・・。
こんなんのオモロいな。と思ってくださる方はNSへおいで下さい。家創り楽しみましょう。
今日は朝からこれ。ちょこっと修繕。
家内の実家、義理母さんから修理依頼。
どうもスイッチの具合が悪そうだ。定番のスイッチ故障前兆候か。
手持ちにSWなんぞある訳もなく取り敢えずカバーを取ってみた。
SWのカバーは手で簡単に取り外せるのですが、めくってみるとこんな感じなのです。
おでましです。正面の青っぽい塊がSW本体です。
で、ここから新鮮な冷たい空気がビューと吹き込んできました。
まぁこれも定番。何処ぞのWB工法だったか壁の中を空気が走るって言ってたけど、こんな感じかな。
やたら冷たい風なのでWBでは無い。だと思う。
昭和な家の典型的な壁内通気層、って感じでした。
まぁ空気が流れるってのは悪くは無いんだが、寒すぎて。
外気と遮断した上で壁体内に通気層の如く空気が流れるのであれば、まぁいいかな。
WB工法わりかし良いのかも知れません。天井のプロペラは受け付けんけど。
と言うことで壁の中に風が吹く家を体感させて頂いたのです。
数値だけに右往左往しないけど暖かいお住まいが必要な住まい手さんは事務所に遊びにお越し下さい。
ではまた。
雨の国、但馬。
弁当忘れても傘忘れるなって誰がおっしゃったかは知らないが、雨よく降ります。
日本海側だから当たり前なのでしょうがグズついた天候が多い国です。
なので建物も雨ガッパならぬ防水性能を高めなくてはいけません。
建物、私たちで言えばお住まいになる訳ですが屋根の防水、窓からの防水、壁からの防水等々気になる点が多すぎですが、一つ一つ丁寧にしなくては数年後に大慌てしなくてはいけなくなるはずなので慎重に収めていかなくてはと思っているところです。
まぁ当然といえば当然なことですので私が偉そうに語る事も無いのですが、意外や意外、あれまぁなんて現場を散見致します。
それはそれとして・・・。
特に高気密高断熱が浸透してきている(と思いたい)ので、関心が以前より高くはなっておりますが雨漏れについては無頓着な感じがしております。
というのが、気密性や断熱性についてのご希望を聞くことは増えましたが防水性については尋ねられた事すらないのです。
雨漏れなんてする訳が無いと思われてるのかなぁと勝手に気にしているのですが、雨漏れって意外にするものなのです。気がついているかいないかだけかも知れませんね。
みなさんが誤解されている「瑕疵担保責任保険」。これ家電には適用されませんよね、でもナンデモカンデモ保険適用されると勘違いされている方も居られました。
ちゃんと契約の時にお話をしたのになぁなんて言っても始まりませんが、瑕疵担保保険が適用されるのは「住宅品質確保法に基づき定められた、(建物本体の)構造耐力上主要な部分及び雨水の侵入を防止する部分に関する10年間の瑕疵担保責任の範囲」なんだかわかったようなわかんない文字が並んでおりますが・・。
適用される殆どは雨漏れ事故に対するものと言っても良いくらいの保険なのです。
詳しくはWEBですぐわかりますので割愛しますが、ほとんどの事故は雨漏れ事故です。
なので雨の国但馬なのに軒ゼロ住宅だったりだとか片流れ住宅だったりだとか四角の家なんかを見ると「えー度胸してはるなぁ」と私は思うのです。あくまで私観ですので気を悪くされないようにして下さい。
(続く)
外構(がいこう)工事。
外周りの作業になります。なのでここは陣頭指揮を私がします。というか私自身も作業をします。
とは言え
造園もそうですが、外構は力仕事が中心となりますので若手スタッフの力を最大限発揮してもらってのことではあります。
駐車スペースとの区切りとして竹野町青井浜付近から切り出した基礎石を並べていきます。
ご要望もあり地上から12cmくらいの高さになるように地盤を掘って据え付けていきます。
今回はノリに乗って
玄関の入り口まで青井石を据え付けました。
うん、なかなかいい出来です。
白い雪が舞っておりますね、寒い時期です。
この後に左官さんに仕上げて貰うか我がチームで仕上げるか迷うとこれではありますが。
もうじき、仕上げます。お楽しみにして下さい。
左官と右官ってなんでしょう。
先ずは右官さん、これ大工さんの事です。そして左官さん、塗り壁の職人さんのことを言います。
左官さんはなんとなく耳馴染みがありますが右官さんって大工さんの事だったんですね、私も知らなった。
とにかく
NSは大工さん(右官さん)と左官さんで作ってもらう住まいを得意というか、そんな住まいしか建てて居ません。
なんせ「無垢の木と塗り壁で創る日本の家」という大層なことをHPで書いているくらいですからペラペラの今の時代の住まいは建てることはいまさら出来ませんし、ご要望頂いてもお受けしません。
まぁそんな感じです。
今日は出石の家さんの玄関内土間が仕上がりましたので少し紹介させて頂きます。
いつも玄関の上がり口には石を納めます。まぁこれもあーだ。こーだと自分なりに悩む所なのですが、この度はこのようにしました。
いろんな意味を自分なりに考えてのことですが、この形が閃きましたので、これを左官さんに託しました。
また、いつも小石を3つ選んで1組とし4組を土間に埋め込んでもらっております。これも私が選んでいますが今後は住まい手さんに選んでいただくのもいいのかなぁと思い出してます。
で今回は
を
に置いて欲しいと左官さんに託しました。
左官さんっていいですよね。カッコイイです。
本日、土木スタッフの力を借りて玄関周りを整理、石入れを行った。
前日におっかなびっくりの私が数年ぶりに香住から石材を運び入れた。いやぁ大変でした。
100kg超の石材ですので、とても一人で動かせないので半ば放置の搬入でした。
で、本日。
糸を張ってラインを揃えて土を掘り、セメントと砂を混合してゆっくりと確実に並べていく。
助かりました。
先ずは車止めを仕上げて、難関の玄関土間に。
でかい、重い。これを人力で行うスタッフの力に改めて感謝なのです。
さて明日、内玄関の仕上げになります。
いつもの三丁掛け。綺麗に収まりますように。
楽しみなのである。
中庭のスペース、どうしたもんか。
竹野の青井石。基礎に使われていたモノのストックを見ながら思いを巡らす。いつも堂々巡りだが。
この石を庭に利用しようと思い、弊社土木スタッフの力を借りて据え付けていくことに決めた。
これまたストックしていた切り出した石。幅150cmの大物。これも使おう。
現場搬入、据え付け
若手のスタッフ2名が細道を潜り抜け運んでくれる。感謝だ。
沓脱石になるのでレベルは大事と水平にこだわってくれるスタッフにこれまた感謝だ。
石は3人掛で搬入し、庭土も一輪車で運び込んだ。うーん、なかなかの重労働。
還暦越えのおっさんがやれる訳もなくないが、そこはそこ。
出来ることをしようと本日、香住谷(かすんだん)の自社山から採取した苔を散りばめた。
完成までもう少し。時間はそうも無い・・・。焦るね。
喜んでくれたらとの思いだけが私のエネルギーだ。
住まいに入れば靴を脱ぐ。
庭から住まいに入るときも靴を脱ぐ。
当然ですが、どう脱ぐかどこで脱ぐか。ですね。
特に初めてお訪ねしたお客様、まぁ私ですがどこで靴を脱いだらいいか悩ましいオタクが割とあります。
お客なのだから真ん中から・・とはいかず右端から靴を脱ぐことが多いのです。
ここで脱いだら良いんだよ と言う印が欲しいなぁといつも思うのです。
なので靴を脱ぐ場所はここだと言う印をいつも大事にしております。
この度は出石のお住まい。なので特に注意してみました。
平石に丸石を組み合わせ。今回はこれをご提案しております。
ただ最後の最後に上下を逆にさせて貰いました。
いつもの左官の橘さんにあとは託す訳です。
この後仕上げの上塗りを施すのですが、良いじゃないですか?。
良いかんじです。
いつか自分でコテを握り、作り上げたいと思う私です。
寒くなったり意外に暖かい日が続いたり。
そう言いながら確実に但馬の冬が訪れてきます。間違いなく。
去年、凍害で瀕死の状態だったウンベラータ君はなんとか持ち直して我が家で育ってくれておりますが背が伸び過ぎてライトに近過ぎで不味い状態となっております。
事務所移動も時期を逸してしまい、今更無理。
上手いこと行かないもんですね。
さて
築25年を越す我が家は断熱気密のレベルは当時の標準、そう、ほぼ無断熱(土壁の家です)。リフォームをしてリビングだけは少し手を入れましたが、NSのお住まい基準で言えば多分欠格仕様。ダメダメです。
まぁ時代が時代だけにしょうがないんですが、お風呂だけはどうにかしないと最悪の事態を招きそうです。
早く断熱浴槽だけでも導入しないとエネルギーの垂れ流し状態ですから体にも財布にもジワジワ効いてきます。
そんな(劣悪な)家に住んでるからこそ暖かいお住まいをご提案したいとなる訳です。
そう、最低を知ってるからこその強みとしております。
現在外気は9.2度、私の寝室(無人)は11.5度、無暖房の三郎部屋(1名・1匹、断熱改修済み)は16.1度、今居るLDKは22.9度(暖房切ってから2時間強)なんとか過ごせますが寝室はほぼ外気ですので電気敷き毛布を先週から導入しました。
なんか電線(磁気)に包まれているようで気持ち悪いけど寒いよりましと妥協しております。
よくある勘違い
高断熱仕様にしたから無暖房でも暖かいハズ・・・コレ勘違いです。少しのエネルギーも足さないであったかい家になる訳ないです。
高断熱の家と言っても自分で勝手に発熱はしませんし、暖かくはなりません。
日射取得を考慮した設計をすれば少しはマシですが「樹脂サッシで日射取得型ガラスを入れれば・・・」と言っても日射取得量で言えば樹脂でもアルミでも昔ながらのシングルガラスには勝てません。室温を上げるほどの日射は残念ながら頂けません。
シングルガラスの日向ぼっこ そう言う意味では最高です。
なんだか分かりにくいですがそうなんです。
高断熱の家(自称)よりも高気密の家(無駄な隙間がない家)の方が実は寒くないっていう事実も知っておいて下さい。
まぁ費用と住まい心地とのバランス感覚は大変難しいのですがネット情報を鵜呑みにされないで下さいね。
いやほんま、(自称)高断熱住宅はそこかしこに存在しております。
G2標準なんて言われるフランチャイズさんもありますしね。
私なんか昨今の住宅性能競争的なものに、だんだんとしらけてきております。
家は冬だけでは無いぜ。ましてや不細工な家は悪だぜ、なんて思っておりますから。
まぁ冬だけじゃないし夏も春もあるよねぇ。冬も夏も暖かい家ってどうなんでしょうね?
さて
但馬は但馬の気候に合った住まいを と思ってOMソーラのご提案をしてはおりますがナカナカ浸透しませんね。
OMの日射取得は素晴らしいんですよ、晴れた日だけ限定なんで但馬ではその恩恵を頂けるのは極まれなんですけどね。
だからですかね、やっぱり。
それに比べて
薪ストーブ、良いですね。漏れ漏れのお住まいでも俄然あったかいです。
まぁ漏れてた方が危なく無いくらい空気を使います。排気計画も大切ですね。
外気導入を検討された薪ストーブなら問題ないですけど、なんちゃって高断熱・高気密住宅ではご注意下さい。
薪ストーブ大好きなら漏れもれの低気密住宅がお勧めです。そのほうが薪ストーブ楽しめます。
いっその事、窓を開けた状態で冷気を室内に入れ込みながらの薪ストーブ最高です。
ま、コレも極端かな。
色々申しましたが(極端な言い方をすれば)
開けっぱなしの戸を閉めるだけで部屋は暖かくなる。昔から言われて来た通りです。
先ずはどこからか解らない漏れ気や隙間を無くすこと。
そして熱を出来るだけ貯める事(外に漏らさない)。計算なんて(だけでは)計れません。
なんて言うと どこからかお叱りを頂きそうですね。このくらいにしときます。
ではまた。
このポスト、カッコいいでしょ。憧れております。個人的に欲しい。うちには似合わないけど。
9月中旬に上棟をした出石の家、丁度1ヶ月が経ちました。
なかなか見られない晴天。青が素敵です。
街並みと景観を配慮したお住まいをとのご希望を頂いて始まった今回のプロジェクト。
スタッフの退職やコロナの影響もあり、スタートが遅れかけたけど、いつも通り、景観と温熱環境に配慮したお住まいを創らせて頂いている。
というか、いつも以上に想いがこもったお住まいが出来つつある。
————————————————————————————————————————————————-
メッシュシートの内側を公開すると
いぶし瓦にタニタハウジングのマットシルバーがよく似合う外観である。
瓦のデザイン、作り方にも色々あるんですがご興味のある方は別途グーグル先生でお調べ下さい。
今回のお住まいは まんじゅう と呼ばれる 丸い先端の瓦を採用しました。
ココが平らなやつは 一文字 と言います。これもいいけどマンジュウも可愛くないですか?
室内もいつもの様にピンクの高性能GW。居室にはザバーンの調湿気密シート。
(この写真は現場指示用にiPadで描いたものです。)
ザバーンの上に横胴縁というか杉のバラ板で気密テープ部を押さえてから石膏ボードで下地完成となります。
(新住協のメンバーの多くはバラ板なしの直接ボードを留めるらしい。)
理屈的にはその方が気密と断熱的には良いとされておりますが、雪国の但馬、ローカルルールでバラ板は外せません。
計算には反映されませんが確実に壁も丈夫になりますしね。
床と壁の境界部は気密シートを少し長めに出して置いて・・・がセオリーですが今回は気密テープ仕上げ。まぁこのテープを床板で押さえますので効果は同じです。
こちらは厨房の小部屋。天井部は耐火性能に定評のあるサーマックス。この上に石膏ボード。壁はザバーン。
軒天(裏)板には杉の上小板。仕上げにノンロットのクリアナチュラル仕上げ。
軒先の通気口はステンレスメッシュを全面に敷き込みました。
エボニーの鼻隠しとタニタのシルバー、杉板の3色でスッキリ。
来週からは外壁にも着手できるかな。お楽しみに。
私の苦労には全く感知しない三郎くんの寝顔に癒されております。
どうも今晩は。
みなさま大好きな断熱のお話はさておき、今日は防蟻と気密について少しだけお伝え致します。
そもそも防蟻ってなんぞや?ですね。
防蟻(ボウギ)、読んで字の如く アリから守る、またはアリの被害を防ぐ。です。
そこいら中にウロチョロしている黒アリなら良いんですが、大事なお住まいを食べてしまうシロアリ、こいつは許せんわけであります。
けどシロアリって普段気にもした事ないですよね。見たことも無い方の方が多いくらいだと思います。
けれどシロアリ、実は何処にでも生息しております。水と木質系があればいつの間にか湧いて出て参ります。困ったやつなのです。
ではそんな奴から大切な住まいを守るにはどうしたら良いのか?
まずは木を濡らさない、もしくは濡れても乾きやすくしておく。これでかなりの部分が安心できます。とは言え奴らは本当に何処からか忍び寄って来ます。
シロアリは単純に日光を嫌いますので、地中から忍び込んで来る事が多い様です。地中?つまり基礎付近の隙間からお住まいの中に入り込んでいつの間にか土台や柱の中に潜り込んで、静かにしかし確実に中身だけを食べていくのです。気味が悪いですねぇ。
という訳で
シロアリ対策の最重要点は基礎からの進入路を閉じる事なのです。もちろん、彼らの侵入経路は基礎(土中)からだけでは無く巣別れの時の飛来によるものもある様ですが極めて限定的ですし巣別れ時期である時分にシロアリの群生を見かけられる場合もあります。まぁ今日はそこのところは割愛いたします。
さて下の写真は基礎部に穴を開けて(基礎コンクリート打設の時にサヤカンを仕込んで)水道管を引き込んでいる場所です。
あまり見掛けられませんよね?
そして手に持っているのはホウ酸入り防蟻剤。コレからこれを使いまくります。
基礎内はこんな感じ。
パイプを基礎コンクリートから隔離するサヤカンの中に水道管が仕込まれております。
驚きましたが、この空間(穴が空いた状態)を塞ぐことをされない事も多くあるそうです。ちょっと理解できませんが。
写真は未処理の状態。大きな穴が空いてますね。コレだとアリどころかいろんな虫も入り込めます。気持ち悪いですが事実です。
で、どうするか。
一次作業としてサヤカン内にバックアップ材を詰め込んでまずは大まかに穴を塞ぎます。
その後はホウ酸入りのシーリング剤で密閉するように埋めます。
もちろん、外部も同じようにホウ酸入りのシーリング剤で埋めます。
たったコレだけです。コレだけの作業ですが大事なんですよ。
基礎には何箇所もこのような配管の穴がありますので、その全てに同じ作業を行います。
地味ですが大事な作業工程の一つです。
こんな事はあまりお伝えされている記事が見かけないので地味ですがお伝えを致しましたが退屈だっとと思います。
断熱気密のやり方 とか 省エネ施工の勘所 とか 暖かい家の造り方 などキャッチーなお話は受けるかも知れませんが、この様な基礎の基礎を蔑ろにしていては良いお住まいはできる訳ないのです。
で、感の良い方は既にご承知のことですが、基礎の無駄な穴を埋めることによって気密も向上するんですよね。
まぁごく僅かですが・・。その僅かが数値競争の時には効いてくるんですね。沼ですのでコレくらいに。
何は無くても良い基礎を作って頂きたいと願っております。基礎のやり変えは出来ませんので室内以上に大事な関心項目なのです。
そうそう。この様なサヤカンを使わずに水道管や電線管をコンクリートに直接埋め込むやり方もあるそうですが、それ間違っておりますのでご注意くださいませ。